税務に関して

税務情報

令和元年を振り返って

今年も残りわずかとなりましたが、振り返るととても早く時間が過ぎていったように感じられます。そして同じように社会や経済の移り変わりも早くなってきているようです。今年1年間の税金に関する改正も多くのものがありました。

まずひときわインパクトの大きかったのは10月1日からの消費税が8%から10%に増税されたことでしょう。ただ増税というと国民の政治的イメージが悪くなるので「軽減税率」や「カード払いによるポイント還元」などの難解な制度も取り入れられました。ただしこれらは時限立法なので制度終了時の中小企業のダメージの方が心配です。

同じく10月1日から自動車の税金も変わっています。排気量種別ごとの自動車税の引き下げや自動車取得税の廃止、環境性能割の導入などよりエコな車の購入を促進するように変更されています。また従来からあったエコカー減税は10月以降グリーン化特例として、こちらも環境にやさしい車が優遇される内容になっています。

相続税についてもゆるやかですがいくつか改正があります。個人事業者の事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予、教育資金や結婚・子育て資金一括贈与非課税措置の延長・見直し、空き家の譲渡所得に係る3000万円特別控除の要件見直し、配偶者居住権の新設など、全体的に相続や贈与がしやすくなった改正が多いようです。

消費税の増税にあわせて、住宅を購入した人についてもいくつか得になる改正があります。従前の住宅ローン控除はその対象期間が10年でしたが、それが13年に延長されています。すまいの給付金制度についてもその給付金枠が増加していま消費税の増税にあわせて、住宅を購入した人についてもいくつか得になる改正があります。従前の住宅ローン控除はその対象期間が10年でしたが、それが13年に延長されています。すまいの給付金制度についてもその給付金枠が増加しています。また住宅資金を親から贈与してもらう場合の住宅取得等資金の贈与税の非課税枠も大きくなっています。(下表は消費税率が10%である場合)

住宅取得等資金の贈与税の非課税枠(新築の場合)
住宅取得等契約締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
2019.4.1−2020.3.31 3000万円 2500万円
2020.4.1−2021.3.31 1500万円 1000万円
2021.4.1−2021.12.31 1200万円 700万円

法人税においては、イノベーション促進のための研究開発税制の見直しや中堅・中小企業による設備投資等の支援促進税制、中小企業等を対象に年所得800万円以下に適用される法人税軽減税率の適用期限の延長など、中小企業にはやさしい改正内容となっています。

全体的には減税及び資産の購入・移転のしやすさを前面に出した改正が多かったように思いますが、それは消費税増税の裏返しだとも考えられます。中小企業にとっては制度が変わっても変わらなくても自身が支払う税金が多くなるのかどうかが関心事だと思います。毎年の社会保険料率の増加と消費税率の増加は納付・納税の負担増という形で必ず現れてきます。またこの2つは利益のあるなしに関わらず生じますので、計画的な納税資金の積立を毎月の業務のひとつとして取り入れていかなければならないでしょう。

今年は多くの税制改正がありましたが、その効果が現れてくるのは来年以降になるはずです。漠然と事業を行っていても売上や利益は増えていきません。良いアイデアや改善事項を行動により実現しながら常に前向きに挑戦を続け、会社の財産を増やしていくことを願っております。

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