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スマートな改正を望みたい

7月に入り今年も折り返し地点となりました。
この半年は重い出来事が多かったせいかで、時間の経過を早く感じておられる方も多いのではないでしょうか。昨年の消費税増税や今年6月に終了したキャッシュレス・ポイント還元制度などはかなりのインパクトがあったように思いますが、所得税についても細かいところで改正がされていることはご存知でしょうか。今回は経理担当者にとって重要な改正をいくつか見ていきます。

〇給与所得控除額の改正
給与所得控除額は給与所得の計算において給与収入から差し引かれるものですが、2020年度より控除額が一律10万円引き下げられることになりました。例えば昨年までは給与収入が162.5万円以下の場合は一律65万円の給与所得控除が差し引けましたが、今年からは一律55万円となっています。また給与収入の金額が1,000万円超の人は220万円を差し引けましたが、今年からは195万円と控除できる金額が減少しています

〇基礎控除額の引き上げ
基礎控除額はすべての方に適用され、これまでは一律38万円(住民税は33万円)となっていましたが、今年からは48万円(住民税は43万円)となりました。ただし合計所得金額が2,400万円を超えてしまうと基礎控除額も減少し、2,500万円を超えると基礎控除額は0円となってしまいます。昨年までは合計所得に関わらずに一律38万円の基礎控除額が認められたことを考えると、高額所得者にとっては不利な内容となっています

〇所得金額調整控除額の創設
今回の税制改正で、給与等の収入金額が850万円を超える方は所得税が以前よりも増加することから、介護や子育て世代の税負担が増えないように新しく「所得金額調整控除」という控除が創設されることになりました。対象となるのは年収が850万円を超え、かつ「本人が特別障害者である場合」「23歳未満の扶養親族がいる場合」「特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる場合」のいずれかに該当する方になります

〇配偶者・扶養親族等の合計所得金額要件等の見直し(詳細は省きます)

さてこれら4つの改正に伴い、本人の給与収入金額や配偶者の収入金額、本人や配偶者、扶養親族の状況などの確認をするために、今年の年末調整からは「令和2年分給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」という申告書を作成し提出をすることになりました。昨年以前の「令和元年分給与所得者の配偶者控除等申告書」でもかなり複雑な内容でしたので、経理担当者にとって今年はさらに内容のチェックに時間がかかることになりそうです。

法律が変わることは仕方がないですが、最近の税制はあまりにも複雑化してきているように思えます。また高額所得者にとっては毎年増税傾向となっており不公平感も増しているようです。我が国では所得が増えれば税率も増加する累進課税制度を採用しているわけですから、細かい要件をつけて増税したり、それに伴い控除を設けたりするのはその手間ばかり増えてあまり意味が無いように思えます。またそれに携わる経理担当者にとっては負担が大きくなるばかりで、通常の業務にまで支障が出るのではないかと危惧しています。

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