税務に関して

税務情報

非居住者に関する税務関係

10月に入り今年もあと残すところ2か月余りとなりました。この時期になると年末調整の変更点を確認するのですが、今年は「非居住者である扶養親族の見直し」となっていました。納税者と非居住者との間の取引については税務署から時々お尋ねもありますので、今回はそれについて取り上げたいと思います。
まず非居住者とは日本における居住期間が1年未満の人で生活の中心が国外にある人を指します。国内で発生する所得を国内源泉所得と言いますが、その支払いを非居住者にする際に所得税および復興特別所得税を源泉徴収し、納付する義務があります。具体例をあげてみると、

・会社が非居住者である役員に給与を支払う場合 → 支払い時に20.42%の源泉徴収が必要
・国内に不動産を所有する非居住者から借りて賃料を支払うとき → 支払い時に20.42%の源泉徴収が必要(注1)
・非居住者から国内の不動産を購入する場合 → 支払時に10.21%の源泉徴収が必要(注1)
・非居住者からお金を借りてその利息を払う場合→ 支払い時に20.42%の源泉徴収が必要

不動産の賃料支払や不動産購入時の支払いにおいては、源泉徴収を忘れがちになりますので、契約している相手が外国人の場合には相手が非居住者なのかどうかを確かめる必要があります。

冒頭で述べたように今年の年末調整においても非居住者である扶養親族の範囲の見直しがありました。令和4年までは非居住者である扶養親族の年齢については16歳以上であれば認められていましたが、令和5年からは
①年齢が16歳以上30歳未満の人
②年齢が70歳以上の人
③年齢が30歳以上70歳未満の人
の3つの年齢に区分けされています。また③については
a.留学により国内に住所及び居所を有しなくなった人
b.障害者
c.扶養控除の適用を受けようとする所得者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている人
と限定されています。加えてすべての場合に「親族関係書類」と「送金関係書類」が必要になり、③の場合には「留学ビザ等書類」や「38万円送金書類」などの書類の提出の必要性も出てきます。
非居住者については、国内の居住者のようにその所在や年間の所得が把握しにくいため、扶養にするための要件がより厳しくなったのだと考えられます。また日本国内の会社に勤めている給与所得者が、1年以上の予定で海外勤務になった場合は非居住者となりますので、国内源泉所得がある場合には納税管理人(注2)を選任し、確定申告や納税を行う必要があります。

(注1)不動産の購入や不動産の賃料の支払いについては、個人が自己又はその親族の居住の用に供するために土地等を取得した場合や、土地や家屋を借りる場合は、その個人が支払うものについては源泉徴収をする必要はありません
(注2)非居住者に代わり、確定申告書の提出や税金の納付などを行う納税管理人を選任することができます

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